○秩父広域市町村圏組合火災予防条例第23条の運用に関する要綱

平成30年4月1日

消防本部訓令第11号

(趣旨)

第1条 この訓令は、秩父広域市町村圏組合火災予防条例(昭和46年条例第7号。以下「条例」という。)第23条の規定の運用について必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(2) 禁止行為 指定場所において喫煙し、若しくは裸火を使用し、又は当該場所に危険物品を持ち込む行為をいう。

(3) 解除承認 条例第23条第1項ただし書の規定により、消防長が指定場所における禁止行為の解除を認めることをいう。

(4) 審査基準 解除承認にあたり、申請内容を審査するための基準をいう。

(5) 大規模な百貨店等 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗で床面積の合計が3,000平方メートル以上のものをいう。

(6) 防火区画 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「建基令」という。)第115条の2の2第1項第1号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は建基令第112条第1項に規定する特定防火設備(常時閉鎖又は作動をした状態にあるもの以外のものにあっては、火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合のいずれかの場合に、自動的に閉鎖又は作動をするものであること)で区画され、かつ、同条第15項及び第16項で定める措置が講じられているものをいう。

(7) 不燃区画 不燃材料(建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「建基法」という。)建基法第2条第9号に規定する不燃材料をいう。以下同じ。)で造った壁、柱、床及び天井(天井のない場合は、はり及び屋根)又は防火戸(建基法第2条第9号の2ロに規定する防火設備であるものに限る。以下同じ。)で区画され、かつ、区画を貫通する風道には防火ダンパーが設けられているものをいう。

(8) 階段等 階段室内、避難器具設置場所若しくは避難の用に供する渡り廊下をいう。

(9) 出入口 道路又は空地に面する出入口をいう。

(指定場所)

第3条 指定場所の用途に係る取扱いは、次の各号に定めるところによるものとする。

(1) 指定場所を本来用途以外に使用する場合は、次のとおりとする。

 本来用途以外で指定場所に該当する用途に使用する場合は、当該用途で規制する。

 指定場所以外の用途に使用する場合は、規制を適用しない。

(2) 指定場所以外の場所を一時的に規則第5条に掲げる防火対象物の用途に係る指定場所として供する場合(前号に掲げる場合を除く。)は、当該用途に係る指定場所とすること。

(3) 冠婚葬祭を行う場合については、条例第23条の規定は適用しないこと。

2 指定場所に関する防火対象物の取扱いは、次の各号に定めるところによるものとする。

(1) 2以上の用途に供する防火対象物の場合は、それぞれの用途に係る指定場所とすること。

(2) 次に掲げる場合は、それぞれ別の防火対象物として取り扱うこと。

 消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)第8条に規定する区画がされているもの

 「消防用設備等の設置単位について」(昭和50年3月5日付け消防安第26号消防庁安全救急課長通知)に基づき、別棟扱いされているもの

(3) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗と同一の防火対象物内に存する飲食の用に供する部分は「飲食店」としてとらえること。

(4) 一の防火対象物内に複数の百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗が存する場合は、当該用途部分(機能従属部分を含む。)の床面積を合算する。

3 指定場所の範囲は、次の各号に定めるところによるものとする。ただし、条例第23条第4項第2号第5項及び第6項の規定により喫煙所を設けた場合は、当該場所から除くものとする。

(1) 劇場等の舞台は、次の部分とする。

 舞台部、奈落及び袖部分のほか、これらに接続した大道具室、小道具室

 楽屋、出演者の控室等(と建基法第2条第7号の2に規定する準耐火構造又は準不燃材料(建基令第1条第5号に規定する準不燃材料をいう。以下同じ。)で造られた隔壁で区画し、かつ、その開口部に防火戸が設けられている場合を除く。)

(2) 劇場等の客席は、椅子席、座り席、立席等の客席部分及び客席内の通路部分とする。

(3) 劇場等の公衆の出入りする部分は、第1号の舞台及び前号の客席以外の部分で、ホワイエ、ロビー、廊下、通路等の公衆が利用する部分とする。

(4) 旅館、ホテル、宿泊所及び公衆浴場並びにキャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール及び飲食店の舞台は、第1号の規定の例による。

(5) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗の売場は、次の部分とする。

 物品陳列販売部分及びその間の通路

 食料品の加工場及び各種物品の加工修理コーナー(以下「加工場等」という。)ただし、次のいずれかに該当する加工場等を除く。

(ア) 又は次号の通常客の出入りする部分(以下「売場等」という。)に隣接しない加工場等

(イ) 売場等に隣接する加工場等で、全体が不燃区画されているもの。この場合において、当該不燃区画に設ける開口部のうち、売場等に面する開口部は、据付面積の合計2平方メートル以内のはめごろし防火戸とし、これ以外の開口部は常時閉鎖又は作動をした状態にあるもの以外のものにあっては、火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合のいずれかの場合に、自動的に閉鎖又は作動する防火戸であるものに限る。

 ストック場(売場等に直接面する開口部を有しないものを除く(売場等に隣接して存する場合にあっては、ストック場全体が不燃区画されているものに限る。)。)

 写真の現像、洋服等の仕立、クリーニング等の各種承り所

 手荷物一時預り所、買物品発送所、買物相談所、店内案内所、託児所、現金自動支払機室等のサービス施設

(6) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗の通常客の出入りする部分は、次の部分とする。

 物産展、展示会等を行う催事場

 客が利用する屋上等の直接外気に開放された部分

 前号アに隣接し、かつ、利用形態が一体をなしている美容室、理容室、写真室、貸衣装室、生活教室等(売場等と不燃区画されたものを除く。)

 階段、エレベーター、エスカレーター、傾斜路、休憩所等の客の利用に供する部分

(7) 屋内展示場の公衆の出入りする部分は、展示ブース等の展示を行う部分及び階段、廊下、通路、エレベーター、エスカレーター、傾斜路、ロビー等の公衆の利用に供する部分とする。

(8) 高さ100メートル以上の建築物の公衆の通行の用に供する部分は、階段、廊下、通路、エレベーター、エスカレーター、傾斜路、展望コーナー、ロビー等の部分とする。

(9) 車両の停車場の公衆の出入りする部分とは、旅客の乗降又は待合いの用に供する建築物の旅客が利用する部分とする。

(禁止行為)

第4条 禁止行為の取扱いは、次の各号に定めるところによるものとする。

(1) 喫煙は、マッチ、ライター等で点火し喫煙する一連の行為とする。

(2) 裸火は、「炎、火花を発するもの又は赤熱して見える発熱部が外部に露出した状態で使用するもの若しくは外部に露出した発熱部で、可燃物が触れた場合瞬時に着火するおそれのあるもの(発熱部の表面温度が400度以上)」とするほか、次によること。なお、火薬類取締法施行規則(昭和25年通商産業省令第88号)第1条の5各号に掲げる玩具煙火のうちクリスマスクラッカー及び平玉を消費する行為については、裸火の使用行為に含まないものとし、当該消費行為に伴う当該品の持込みは、危険物品持込み行為から除くものとする。

 気体燃料、液体燃料又は固体燃料を熱源とする火気使用設備器具は、直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を直接屋外に排出する密閉式燃焼設備器具(FF型等)以外のものが裸火の使用に該当する。

 電気を熱源とする火気使用設備器具のうち、トースター、ヘアドライヤー、電気オーブン等のように発熱部が燃焼室、風道又は庫内に面しているもので、かつ公的検査機関の検査を受けているもの以外のものが裸火の使用に該当する。

(3) 危険物品の持込みは、危険物品(規則第6条各号に掲げる物品)を持込む全ての行為とする。ただし、次に掲げる行為は、危険物品持込み行為に含まないものとする。

 百貨店等の売場において、次に掲げる物品(販売行為の一つとしてとらえる試供品又はサンプルを含む。)を恒常的に陳列、販売する行為

(ア) 危険物に該当する製品(一の承認単位あたりの数量が、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令306号。以下「危政令」という。)別表第3に定める指定数量の5分の1未満に限る。)

(イ) 可燃性液体類に該当する製品(一の承認単位あたりの数量が、条例別表第8に定める数量の5分の1未満に限る。)

(ウ) 高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号。以下「ガス法」という。)の適用が除外される容器入り可燃性ガス(一の承認単位あたりの取扱いガス総質量が20キログラム以下に限る。)

(エ) 「SFマーク」(社)日本煙火協会が実施する「基準検査」と「安全検査」に適合する旨の表示)の付されている玩具用煙火(一の承認単位あたりの総薬量が5キログラム未満に限る。)

 屋内展示場で行われる危険物品の展示行為(実演を伴わず展示のみを行う場合で、商品等容器に密閉されたものに限る。)

 車両等の展示行為(運行又は稼働を伴うものを除く。)

 潤滑油等が密閉状態で内蔵されている工作機械等の機器を持込み又は使用する行為

 動植物油を調理(煮沸行為を除く。)に使用する行為

 日常の清掃用にクリーナー等の危険物品を使用する行為

(解除承認の申請)

第5条 消防長は、規則第7条に規定する指定場所における行為承認申請書(以下「申請書」という。)により申請を受付した場合は、審査を行い、行為承認審査書(様式第1号。以下「審査書」という。)を作成し、処理するものとする。

(解除承認の期間等)

第6条 解除承認の申請は、指定場所ごととする。ただし、次項各号に掲げる恒常的な行為に係る解除承認申請にあっては、当該申請に係る場所ごととする。

2 解除承認は、当該行為に必要な期間を解除承認期間として行うものとするとともに次に掲げる恒常的な行為に係る解除承認にあっては、期間を定めず行うものとし、当該解除承認に係る承認内容の遵守状況等については、立入検査時等に確認を行うものとする。

(1) 恒常的に火気使用設備器具を用いる行為

(2) 恒常的に危険物品の持込みを行う行為

(審査)

第7条 申請書の審査は、次の各号に定めるところによるものとする。

(1) 審査は、書類審査により行い、必要により現地調査を行うものとする。

(2) 審査要領は、次のからに定めるものとする。

 申請内容が解除承認を行う妥当性を有する行為であること。

 申請内容が必要最小限の範囲であること。

 申請内容が「承認用件適用区分及び審査基準」(別添)に規定する審査基準に適合していること。

 申請に係る行為及び機器等は、資料又は実験等により明確な特性、性能及び安全性が確認できるものであること。

 関係者及び行為者が申請内容を適正に履行できるものであること。

 指定場所が、消防法令又は防火に関する他の法令に違反を生じないこと。

 申請に係る行為及び機器等の位置、構造等が、関係法令に定める保安基準に適合していること。

(3) 指定場所ごとを一の承認単位として適用する。ただし、防火区画された場所は一の承認単位として取り扱うものとする。

(解除承認の特例)

第8条 消防長は、次に掲げる場合は、解除承認に際し、審査基準によらないことができるものとする。

(1) 指定場所の特異性から、当該指定場所独自の審査基準を定めても火災予防上支障がないと認められる場合

(2) 審査基準の範囲を超える禁止行為の申請又は機器等が開発された場合で、解除承認しても火災予防上支障がないと認められる場合

(標準処理期間)

第9条 第5条に規定する申請に対する処分に係る標準処理期間は、7日とする。

(承認証の交付等)

第10条 消防長は、解除承認する場合は、禁止行為解除承認証(様式第2号。以下「承認証」という。)及び必要に応じて別紙(様式第2号の2)を作成し、申請者に交付するものとする。

2 承認証を交付した場合、審査書へ承認証受領者の署名を徴するものとする。

(承認証の掲出)

第11条 消防長は、解除承認した場合は、承認証を当該場所の見やすい位置に承認期間中掲出させるものとする。

(不承認の処理)

第12条 消防長は、承認しない場合は、不承認通知書(様式第3号)を作成し、申請者に通知するものとする。

(解除承認の取消し)

第13条 消防長は、解除承認した後において次に掲げる取消事由を認めた場合は、公益上緊急に承認を取消すことができるものとする。なお、取消す行為は、取消事由、消防用設備等の設置状況若しくは防火管理の状況により、当該禁止行為の全部又は一部とすることができるものとする。

(1) 解除承認の際に講ずべき措置の不履行により火災予防上好ましくないと認められる場合

(2) 承認を受けた場所から火災を発生させた場合

(3) 防火対象物又はその部分の事情変更により承認を継続させることが火災予防上好ましくないと認められる場合

(4) 防火対象物又は当該部分に法令違反が生じ、秩父広域市町村圏組合火災予防違反処理規程(平成29年秩父消防本部訓令第2号)に基づく警告又は命令を受けることとなる場合

(5) その他消防長が火災予防上好ましくないと認められる場合

2 承認を受けた禁止行為について次に掲げるいずれかに該当する場合には、当該承認は失効するものとする。

(1) 承認を受けた者に変更が生じた場合

(2) 承認を受けた期間が過ぎた場合

(3) 承認を受けた場所が指定場所に該当しなくなった場合

3 消防長は、第1項により承認を取消す場合は、審査書を作成し、禁止行為解除承認取消書(様式第4号)により申請者に通知するものとする。

(標識の設置)

第14条 指定場所に設ける喫煙、裸火の使用又は危険物品の持込みを禁止する旨の標識は、当該指定場所の規模及び形態に応じた数とし、次に掲げる箇所に設けるものとする。

(1) 「禁煙」の標識

 規則第5条第1号ア及びの舞台にあっては、当該場所の入口の見やすい箇所とすること。

 規則第5条第1号ア及びの客席にあっては、正面舞台の側壁又は柱等で客席の全ての部分から確認できる箇所とすること。ただし、観覧場にあっては、その規模及び形態に応じて見やすい箇所とすることができる。

 規則第5条第1号オの売場及び通常客の出入りする部分、の公衆の出入りする部分並びにの公衆の通行の用に供する部分にあっては、客、入場者又は利用者用の入口の見やすい箇所とすること。

(2) 「火気厳禁」の標識

 規則第5条第1号ア及びの舞台にあっては、当該場所の入口の見やすい箇所とすること。

 規則第5条第1号ア及びの客席、の売場及び通常客の出入りする部分、の公衆の出入りする部分並びにの公衆の通行の用に供する部分にあっては、客、入場者又は利用者用の入口の見やすい箇所とすること。

(3) 「危険物品持込み厳禁」の標識

禁止場所を有する防火対象物の当該入口等の見やすい箇所とすること。

2 条例第23条第4項第1号及び第5項に規定する全面的に喫煙が禁止されている旨の標識の設置は、次によるものとする。

(1) 標識の色は白地、文字を黒字とし、大きさは、規則別表第1に規定する禁煙の標識による。

(2) 標識に併せて図記号による標識を設ける場合は、条例別表第7に規定する禁煙の図記号とすること。

(3) 標識中には、「禁煙」の文字を含むものとし、使用形態に応じた内容とする。なお、標識の記載例は次のとおりとする。

 「全館禁煙」

 「当○○○は、全館において禁煙です。」

 「この階は禁煙」

 「当○○○においてこの階は禁煙です。喫煙所は、○○階にあります。」

3 条例第23条第4項第2号に規定する「喫煙所」の標識は、喫煙所の形態に応じた公衆の目に触れやすい箇所に設置するものとする。

(喫煙所の設置)

第15条 条例第23条第4項第2号第5項及び第6項の規定に基づき設置する喫煙所は、次に掲げる基準により出火防止上支障のない部分に設けるものとする。

(1) 喫煙所は、階段室内、エスカレーターの防火区画内、避難口の周囲、避難器具設置場所の周囲又は廊下若しくは通路等の通行の用に供する部分には設けないこと。

(2) 条例第23条第5項に規定する「通行の用に供しない部分」は、廊下、通路等が条例及び建築関係法令において規定される幅員を超える部分(例えば、突出した柱等の間の部分)をいう。したがって、劇場等の客用廊下に長椅子、吸殻容器を置いて喫煙所とする場合は、法令に規定する幅員以下にならないこと。

(3) 喫煙所の構造等については、次によること。

 可燃物の転倒落下のおそれがなく、周囲の可燃物から防火上有効な距離を確保すること。ただし、当該距離を確保することができない場合には、準不燃材料の間仕切り、つい立等で床面から防火上有効に遮断した場合は、この限りでない。

 通行及び避難上支障のない位置(第2号を含む。)で、喫煙所に適したスペース等について、十分検討した位置とすること。

 百貨店等に設ける場合は、床面の色表示、間仕切り等により他の部分と区分すること。

 喫煙所には、安定性のある不燃性の吸殻容器、椅子その他喫煙に必要なもの以外は、存置しないこと。

 喫煙所の周囲を区画する場合は、準不燃材料を用いること。

 消防用設備等の操作の障害とならない位置とすること。

(指定場所の把握)

第16条 消防長は、指定場所一覧(様式第5号)を作成し、常に防火対象物の指定場所の把握に努めなければならない。

(施行期日)

1 この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

(秩父広域市町村圏組合火災予防条例第23条の運用基準の廃止)

2 秩父広域市町村圏組合火災予防条例第23条の運用基準(昭和62年告示第1号)は、廃止する。

(令和4年消防本部訓令第2号)

この訓令は、令和4年4月1日から施行する。

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秩父広域市町村圏組合火災予防条例第23条の運用に関する要綱

平成30年4月1日 消防本部訓令第11号

(令和4年4月1日施行)